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第13代『風鈴電車』(7302号)

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2005年の風鈴電車に抜擢された7302号。
(東山線:東山にて)

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備前焼風鈴がつり下げられた車内。
水槽をイメージしたデザインとなった。

 岡山電気軌道では1993年から、夏になると『風鈴電車』を運行している。岡山地区の名産である「備前焼」でできた多数の風鈴を車内につり下げ、利用客に涼しげな空間を提供している。

 この風鈴電車につり下げられている備前焼風鈴は、一般のガラス製の風鈴などとは違い、透き通りつ、且つ深みのある音色が特徴で、「季節を感じながら、楽しんで電車に乗ってほしい。」という願いのもと、企画された列車である。
 風鈴電車は、上毛電鉄でも運行されているが、岡山独自とも言える備前焼風鈴は、上毛電鉄の風鈴電車とはまた違った空間を提供してくれる。
 乗客に季節を感じてもらうだけではなく、備前焼風鈴の魅力を、さりげなく乗客にアピールしているのが、この風鈴電車であると言えよう。

 2005年7月21日〜8月21日まで運行された、第13代目の風鈴電車は、「風鈴と金魚」をテーマに、車内を水槽に見立てて装飾を施している。車内には、『備前焼工房ヘキザン』が製作した60個の備前焼風鈴がつり下げられた他、グラフィックデザイナーの青地大輔氏が半紙とカッティングシートで製作した1千匹もの金魚が飾られた。運行当初、全国の報道機関が競って報道し、この年も注目を集めた。
 第13代風鈴電車に抜擢されたのは、7300形の7302号。車体全体は黄緑色となり、数々のイラストの他、車体側面には大きく「ふうりん電車」と書かれている。列車が走り出し、揺れた時はもちろんのこと、列車の冷房装置から吹き出る風で、停車中でも備前焼風鈴の音色を聞くことができる。

 「鉄道」という公共交通を利用したこの企画は、地域のPRにも大きく貢献しており、広報企画の模範であると評価する声もある。

 風鈴電車はこれからも、毎年の夏場、きっとまた涼しい空間を提供してくれることだろう。



 東山線 第13代風鈴電車(7302)
 収録日:2005年8月7日
 収録区間:門田屋敷〜中納言
 収録機材:SONY MD レコーダ
 備考:7300形。
    :冷房作動。
    :備前焼風鈴の音色が響く。
    :マイクが揺れる音が入っている。

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 2005年の第13代風鈴電車、7300形(7302号車)の録音です。備前焼風鈴の、軽やかであり、軽薄でない音色が車内に響き渡ります。

 ちなみに7300形は、旧型2500・2600形(元呉市電700・600形)の機器を流用しているそうですが、7100形と聞き比べてみても、あまり音に変わりはなさそうです。こちらも、吊り掛け駆動とカルダン駆動が混じったような、微妙な音を立てます。

 尚、途中「カタカタ」という音が聞こえますが、これはマイクが揺れる音が収録されてしまったためです…。申し訳ございません。ただ、風鈴の音色はちゃんと収録されていますので、風鈴電車の雰囲気を少しでも味わって頂ければ幸いです。そして、ぜひ1度ご乗車になってみてはいかがでしょうか。(別に私は岡山電気軌道の関係者ではありません…笑)


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側面に書かれた「ふうりん電車」の文字。

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『備前焼工房ヘキザン』製作の風鈴。



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